ヒマラヤ山脈周域の高山草原では、少数民族による草食家畜の放牧が行われている。中国青海省玉樹蔵族自治州でチベット族によるヤク、海北蔵族自治州で回族によるヤク、インド国ジャンムー・カシミール州でバックラワル族によるヤギ、グッジャル族によるヒツジとウシ、チャンパ族によるヤク・ヤギの放牧方式について、調査を行っている。ヒマラヤ山脈北東部と南西部での家畜種と放牧方式の違い(遊牧・移牧・定置放牧)を植生と野生動物も含めて紹介された。
青海省玉樹蔵族自治州では2010年4月の大地震で4万頭超のヤクとヒツジが死亡、2012年3月の大雪災害では、8万頭のヤク・ヒツジが餓死したという。
チベット高原に生息しているクチクロナキウサギが、草地を荒らす害獣として駆除されているという、一見して理不尽な話が紹介された。2011年より、このクチクロナキウサギの草原生態系に及ぼす影響について、調査・研究が始まったといいます。
【添付資料】