安仁屋政武氏による『南米チリ・北パタゴニア氷原の溢流氷河の1944/45-2004/05の変動とその要因』(ヒマラヤ学誌8号、2007)を、京都大学ヒマラヤ研究会(発行者)及びヒマラヤ学誌編集委員会(編集責任者;松林公蔵京都大学教授)の承諾を得て、掲載しています。

南米チリ・北パタゴニア氷原の溢流氷河の1944/45-2004/05年の変動とその要因

安仁屋 政武

北氷原に分布する21の溢流氷河の1944/45-2004/05年の60年間の変動を、各種のリモート・センシング・データを使って明らかにした。それによると過去60年間は全般的に後退傾向にあり、面積約101km2が減少した。氷原の西側(偏西風帯の風上側)に分布する氷河の平均後退量は約8.1km2で東側に分布する氷河の4倍強である。氷原最大の氷河サン・キンティン氷河の後退量は約29km2で 突出して大きく、全体の1/3弱に当たる。距離ではレイチェル氷河の約6kmが最大である。21の溢流氷河のうち17がカービング氷河で、いくつかの氷河 では氷河前縁湖での末端崩壊による短期間の大規模な後退が起きている。一方、60年間ではほとんど変動していない氷河が氷原の東側(偏西風帯の風下側)に 見られる。このような大規模な後退は一般に地球温暖化による気温の上昇の結果と考えられるが、サン・ラファエル氷河で見られた停滞/前進/後退・前進とい う変動はフィヨルドの地形の影響(主に幅、深さも一部関係?)と解釈される。

(以下、添付ファイルをご参照くださいませ。)

 

【添付資料】himalayan_study_monographs_no_08_p099_aniya_scan.pdf/『南米チリ・北パタゴニア氷原の溢流氷河の1944/45-2004/05の変動とその要因』 安仁屋政武 ヒマラヤ学誌第8号 (スキャン版)

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