前田栄三氏による『崑崙山脈西部の山旅、高所順応に関する自己体験(2005年7月〜8月、夢ムスターグ<6,345m峰>登頂時の記録)』(ヒマラヤ学誌8号、2007) を、京都大学ヒマラヤ研究会(発行者)及びヒマラヤ学誌編集委員会(編集責任者;松林公蔵京都大学教授)の承諾を得て、掲載しています。
崑崙山脈西部の山旅、高所順応に関する自己体験 前田 栄三 2004年4月、「シルクロードを訪れる」という学生時代(1960年代)の「夢のまた夢」が適い、西域南道、タクラマカン砂漠公路そして天山南路の一端 に触れることが出来た。同年9〜10月、再びシルクロードの街ウルムチそしてカシュガルを訪れ、崑崙山脈西部の目指すべき未踏峰の探索を行い、その結果を 踏まえ、翌2005年7〜8月には「崑崙の未踏峰を登る」という夢の実現を見た。 私自身の高所経験といえば、富士山を始めとする国内の 3,000m級の山々やボルネオのキナバル山(4,095m)程度しか無い。本稿は、そういう1人の人間の、標高4,000m〜6,000mにおける高所 順応の1回だけの失敗と成功の体験を記したものである。60歳前後に至りやっと海外の山々や高地に眼を向けられるようになった方々、或いは将来、中国滞在 30日間(ある種のビザの有効期間)という自由時間を手に、新蔵公路を通って崑崙の未踏峰を目指そうとする方々に、些かなりとも参考になれば誠に幸いであ る。 (以下、添付ファイルをご参照くださいませ。) |