大石 惇氏による『中国新疆伊犁州における野生リンゴの保全活動』(ヒマラヤ学誌 No.16, 224-233, 2015)を、ヒマラヤ学誌編集委員会(編集責任者;松林公蔵京都大学教授, 奥宮清人京都大学准教授)の承諾を得て、掲載しています。

【添付資料】hsm-16-224-中国新疆伊犁州における野生リンゴの保全活動:大石.pdf

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中国新疆伊犁州における野生リンゴの保全活動

大石 惇

 中国新疆から中央アジアにかけては、「栽培植物起源論」では、“中央アジア中心”と呼ばれる世界の8大起源地の一つである。リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、アーモンド、クルミ、ネギなどの重要な作物の起源地とされている。そのほか、薬草類や工芸作物類も多く存在する。

 1992年、静岡大学の筆者は、中国新疆伊犁地区園芸研究所の林培鈞教授の案内で伊犁地区新源県の野生リンゴの原生林を見て、この貴重な遺伝資源を残そうと、日本と中国が共同で野生果樹の遺伝資源圃を建設することに合意した。1999年、日中共同で「天山伊犁有用植物資源圃」が完成した。

 植物の生殖質の保存は、災害や病虫害などから守るために、離れた異なる場所に保存することは大切です。しかし、私は、少なくとも起源地の自然環境の中で保存することが必要であると思います。起源地保存がされていない場合、生殖質は残っても、どのような環境条件の中から植物が発生し、品種が生まれて変化してきたのか、種の発生と自然環境との関係は理解することは出来なくなります。それは、環境と植物の発生研究の基礎が失われてしまうからです。

(以下、添付ファイルをご参照くださいませ。)

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