次に、『南詔国・大理国の歴史と雲南白族の歴史観 -阿嵯耶観音伝説を中心に-』と題して、立石 謙次 氏(東海大学文学部東洋史専攻 専任講師)のご発表をいただきました。
≪以下、講演要旨等 よ り≫
南詔国は7世紀後半から10世紀初頭にかけて、今の中国雲南地方を上回る広い地域を支配した。その後半には阿嵯耶観音を中心とした雲南特有の仏教を信仰した。この信仰は南詔国滅亡後、雲南地方を支配した大理国にも引き継がれていく。12世紀中葉には、雲南地方はモンゴル・元朝によって滅ぼされ、中国に組み込まれた。
その後、阿嵯耶観音信仰は現代白族の祖先たちの始祖伝説として受け継がれていった。