最後に、渡辺 弘之氏(京都大学名誉教授森林科学専攻)から、『タイ・ビルマ漆器と中国虫糞茶 ~ビルマウルシの生産とタイ北部のビルマウルシ林を調べる。 中国南部の虫糞茶とは何か?~』と題した発表をいただきました。
【添付資料】
20141220-31-05-席上配付資料:タイ・ビルマ漆器と中国虫糞茶:渡辺.pdf
20141220-31-05-プロジェクタ資料:タイ・ビルマ漆器と中国虫糞茶:渡辺.pdf
タイ・ビルマ漆器は日本のウルシとは別種のビルマウルシからの漆液を使う。漆器は多様なかたちだが、これはタケを編んだものの上に漆を塗った籃胎漆器である。タイ北部ではビルマウルシは標高の高いメルクシマツ林やフタバガキ樹木と混交していた。漆掻きの傷はカレン族とタイヤイ族でちがった。日本に「うるしの日」があり、11月13日であることが語られた。
中国に虫糞茶というのがある。どんな虫の糞か、チャの葉を食べさせるのだろうかと興味を持って調べたら、虫は化香夜蛾と呼ばれるソトウスグロアツバ、そして与える樹木はチャでなく化香樹と呼ばれるノグルミであった。さてその味は? ご自身が試飲したところ「とても乙な味とも言えなかった」「カビ臭い」という。