4番目には、大西 近江氏(京都大学 名誉教授(栽培植物起原学分野))から、『栽培ソバの野生祖先種を求めて ~中国雲南省三江併流地域での現地調査~』と題した発表をいただきました。
【添付資料】プロジェクタ資料ー栽培ソバの野生祖先種を求めて.pdf
ソバという栽培植物はどのような野生植物(野生祖先種)から、何処で生まれた(栽培の
起原地)のか!演者は、1990年秋に雲南省永勝県でソバの野生祖先種を発見した。ソバ野生祖先種は1990年以後、四川省、雲南省、東チベットの各地でも見つかり、金沙江、瀾滄江、怒江の三江併流地域の野生祖先種が栽培ソバに最も近縁であることが判明し、『栽培ソバの起原地は中国西南部の三江地域であり、野生祖先種の起原地は東義河・尼汝河の谷であり、野生祖先種は Fagopyrum esculentum ssp. ancestrale Ohnishiである。』とのソバの三江地域起原説を提唱し、ド・カンドルの説(シベリア・黒竜江地域説)を百年ぶりに否定した。今では三江説が定説となっている。2005年~6年の東義河渓谷の調査、2003年の梅里雪山一周の巡礼の旅を中心に、豊富な写真とともに紹介された。