2009年12月12日開催の第13回雲南懇話会は、お陰様で98名の参加をいただき盛会の裡に終了致しました。講師の方々を始め、皆様のご支援ご協力に深く感謝します。皆様方のご支援ご協力に対し、幹事団を代表し て、深甚なる感謝を申し上げます。ありがとうございました。

(撮影:長岡正利)

 

 

  演題
発表者
所属
1 アンナプルナ周遊トレッキングとチュルーウエスト峰(6419m)
-雲南懇話会第6回Field Work として、2009年8月-
安田 隆彦 AACK
2 インド・パキスタンの山々
-2008年~2009年の記録-
平出 和也 (株)ICI石井スポーツ, 登山家
3 タイ文化圏の農耕文化
-ラオス北部の稲作を中心に-
園江 満 東京大学総合研究博物館, 東京農業大学国際食料情報学部
4 歴史的視点で捉えたペー(白)族
-雲南省大理盆地で調査する人類学者の考察-
横山 廣子 国立民族学博物館
5 地球温暖化でアジアの雨と雪はどう変わるか? 安成 哲三 名古屋大学地球水循環研究センター, AACK

20091212_13_01_yasuda_128x9620091212_13_01_yasuda_01_projector_p66_128x96まず、『アンナプルナ周遊トレッキングとチュルーウエスト峰(6419m)-雲南懇話会第 6回Field Work として、2009年8月-』と題して、安田 隆彦 氏(AACK)のご発表をいただきました。

≪以下、講演要旨より≫

当初、2009年8月の崑崙山脈西部地域の未踏峰登山を中心に山旅を計画していたが、出発直前に発生した新疆ウイグル自治区の社会不安により、急遽、計画の見直しが必要となった。代ってヒマラヤのトレッキング・ピークが浮上。モンスーンの影響が少ないアンナプルナ山群北側に位置するChulu West峰(6419m)を登山対象として、7月26日出国~8月22日帰国という日程で山旅を実施した。

20091212_13_02_hiraide_128x9620091212_13_02_hiraide_01_projector_p08_128x96次に、『インド・パキスタンの山々 -2008年~2009年の記録-』と題して、平出 和也氏((株)ICI石井スポーツ, 登山家)のご発表をいただきました。

≪以下、講演要旨等よ り≫

2008年秋のインド・カメット峰(7756m)南東壁の登攀は、オリジナリティー精神と山頂に突き上げるきれいなラインが評価され、本年4月、第17回ピオレドール(黄金のピッケル賞)を受賞した。2009年6月、ガッシャーブルムⅠ峰(8068m)登頂。

2009年秋は、鋭鋒ガウリサンカール(7134m)を計画している。この山はネパールとチベット自治区の国境上に位置し、チベット側の北東面は未だに未知の世界を保ったままである。

20091212_13_03_sonoe_128x9620091212_13_03_sonoe_01_projector_128x963番目には、園江 満氏(東京大学総合研究博物館, 東京農業大学国際食料情報学部)にご発表いただきました。演題は『タイ文化圏の農耕文化 -ラオス北部の稲作を中心に-』でした。

≪以下、講演要旨より≫

中国西南部から東南アジア大陸山地部にかけての山間盆地には、かつて盆地連合国家郡が存在していた。この地域の社会は、今日もなお国民国家の国境を超えて、タイ系言語をリンガフランカとしながらも多言語・多民族構造をもった複合文化交流圏としての緩やかなつながり維持しており、この広がりを「タイ文化圏Tay Cultural Area」と呼んでいる。

本講演では、ラオス北部の農耕技術を軸に地域としてのタイ文化圏を描き出し、併せて、一般には水田農耕民と考えられているタイ系民族の実像について再検討する。

 

20091212_13_04_yokoyama_01_projector_p04_128x9620091212_13_04_yokoyama_128x964番目には、横山 廣子氏(国立民族学博物館)から『歴史的視点で捉えたペー(白)族 -雲南省大理盆地で調査する人類学者の考察-』と題した発表をいただきました。

≪以下、配布資料よ り≫

中国の55の少数民族の一つとしての「白族」が確定したのは1956年のことである。ペー族は少数民族なのか漢族なのか、民族名称はどうするべきかという議論に中国政府としての結論が出された。ペー(白)族の文化的特徴や民族の境界あるいは帰属意識について、フィールドワークと歴史文献の双方のデータを総合することにより、時間的な幅をもってペー(白)族のあり方(エスニシティ)について考察する。今回は特に楚雄地域の事例から大理盆地を中心とするぺー(白)族を照射してみたい。

20091212_13_05_yasunari_128x9620091212_13_05_yasunari_01_projector_p01_128x96最後に、安成 哲三氏(名古屋大学地球水循環研究センター, AACK)から、『地球温暖化でアジアの雨と雪はどう変わるか?』と題した発表をいただきました。

≪以下、講演要旨等より≫

≪名大大学院理学研究科広報誌『2008.「理ソフィア」15、特集 地球温暖化に挑む』より引用しています≫

今、地球温暖化が大きな問題になっており、いろいろな議論がなされています。二酸化炭素に代表される温室効果ガスの増加が、地球温暖化に大きな影響を与えつつあるのは事実でしょう。しかし私は温暖化とともに重要な問題がもう一つあると考えています。

「地上に降った雨は、川から海に流れ、海から蒸発して、地上に降る」という水循環は我々の生活を保障している大事な現象です。また、地球は「水惑星」といわれ、地球の気候は水なしでは考えられません。温室効果ガスの増加によって水循環がどう変わるか、アジアを中心に話したいと思います。

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