2010年12月11日(土)開催の第16回雲南懇話会は、お陰様で約100名の参加を得て、無事終了致しました。ご協力に感謝します。今回は、兵庫の宝塚市、大阪の堺市、岐阜市、山梨県の甲府市・都留市等など、遠方からのご参加もいただきました。重ねて感謝します。
(撮影:長岡正利)
次回は、2011年4月23日(土)開催の予定(計画中)です。会場の使用が確定する2011年1月下旬に、改めてご案内致します。
概要
第16回 (2010年12月11日(土)、東京市ヶ谷・JICA研究所-国際会議場) | |||
演題 |
発表者 |
所属 |
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1 | ネパールの山旅 -2010年秋の記録- |
田中 貴 | 京都大学山岳部 |
2 | 四川省の山と旅 -2007年/ 覇王山(5,551m)、2010年/ 夏麦拉峰(5,497m)初登頂の記録- |
吉村 千春 | JAC広島支部、広島山の会、AACK |
3 | 山と自然、自分探しの縦横の旅 -インド、パキスタン、ネパール、チベット、アラスカ…の山々- |
谷口 けい | アルパインクライマー、野外研修ファシリテーター |
4 | 雲南省の石楠花 | 並河 治 | (元)神奈川県立フラワーセンター大船植物園、AACK |
5 | 高所&フィールド医学-チベット・雲南 -最近の遭難事例の医学的教訓を含めて- |
松林 公蔵 | 京都大学東南アジア研究所、AACK |
まず、『ネパールの山旅 -2010年秋の記録-』と題して、田中 貴 氏(京都大学山岳部)のご発表をいただきました。
≪以下、講演要旨よ り≫
KUACでは、2010年9月から10月にかけて、若手のOBを隊長とし現役部員3名を隊員とするトレッキング登山隊を、ネパール・ヒマラヤのク-ンブ地域に派遣しました。現役部員が海外を目指すのは25年ぶり! 今回登頂した「ニレカ・ピーク(6169m)」はトレッキングピークでありますが、初めての海外トレッキング登山の様子を中心に、熱い思いを語っていただこうと思います。(文責;前田栄三)
次に、『四川省の山と旅 -2007年/ 覇王山(5,551m)、2010年/ 夏麦拉峰(5,497m)初登頂の記録-』と題して、吉村 千春 氏(JAC広島支部、広島山の会、AACK)のご発表をいただきました。
≪以下、講演要旨等 よ り≫
1990年の四姑娘山南壁遠征偵察から20年、中国の横断山脈に通っています。その間、梅里雪山・ミニヤ・コンカ・覇王山と遠征母体はそれぞれ違いますが、遠征して来ました。
今年は丹巴県にある(大雪山系北端)シャーチャンラー峰(未登)に遠征隊を出し、初登頂をすることが出来ました。 今までの、遠征を振り返り、今後の課題を含め、報告をさせて頂きたいと存じます。
3番目には、谷口 けい氏(ルパインクライマー、野外研修ファシリテーター)にご発表いただきました。演題は『山と自然、自分探しの縦横の旅-インド、パキスタン、ネパール、チベット、アラスカ…の山々-』でした。
≪以下、講演要旨よ り≫
大学時代はサイクリング部。キャンプ装備を装着し、日本中を旅しては山があると仲間を連れて登った。 未知の世界と冒険の旅に憧れて、世界を巡る。特別難しいことをやっているわけではなく、でも誰もやったことの無いことをやりたい。自分だから出来る冒険(チャレンジ)を、自分達なりのスタイルでやりたい。知らない土地で、知らない人や文化に触れ、それから自然に触れる。地球(大地も空も含めて)と対話することができて初めて、そこに座す山への一歩が踏み出せると感じている。 2008年、インド・カメット峰(7754m)南壁初登攀により「第17回ピオレドール賞」受賞、よみうりスポーツ賞も受賞した。 (編集;前田栄三)
以下、講演で使われた2005年のシブリン峰の動画です。
4番目には、並河 治氏((元)神奈川県立フラワーセンター大船植物園、AACK)から『雲南省の石楠花』と題した発表をいただきました。
≪以下、講演要旨よ り≫
「シャクナゲとは何者か?」 という問いかけから始まる。具体的にはツツジ科ツツジ属で世界に850種以上あることから始まり、その語源について語り、世界の分布の状況に話が及びます。次に「ツツジ、シャクナゲの分け方」について、資料に沿って説明が加えられます。
最後に「雲南省のシャクナゲ」について、スライドをご覧に入れます(22コマ)。 (文責;前田栄三)
最後に、松林 公蔵氏(京都大学東南アジア研究所、AACK)から、『高所&フィールド医学-チベット・雲南 -最近の遭難事例の医学的教訓を含めて-』と題した発表をいただきました。
≪以下、講演要旨より≫
高地は、低酸素という人間の生理にとってきわめて過酷な自然条件が存在し、ヒトが高地に住み着くためには低酸素適応が必要であった。生物学的適応とは対照的に、文化的適応は、自分自身の身体的構造の変化を最小限にとどめ、新しい文化をまとうことによって外界に適応してゆく。本講演では、雲南省と青海省高地住民における老化の実態をお話しし、あわせて、中・高年登山における注意事項ならびに最近事例がみられる低体温症についても言及する。