2011年7月9日(土)開催の第19回雲南懇話会は、93名(会場側の休日出勤者を含めると95名)の参加をいただき、ひょうたん笛の演奏、チベット族の愛唱歌の歌唱もあり、和やかな裡に終了致しました。

講師の皆様、ご参集いただいた皆々様、ご協力に感謝致します。

(撮影:長岡正利)

次回は、2011年12月10日(土)に開催を予定しております。会場の確定する9月中旬の頃に、日時と会場等についてご案内致します。次回もまた、どうぞよろしくお願い致します。

概要

第19回 (2011年7月9日(土)、東京市ヶ谷・JICA研究所-国際会議場)
  演題
発表者
所属
1 カラコルムの地図作成小史と、今西さんのカラコラム探険の頃
-国土地理院「今西錦司企画展講演資料より-
長岡 正利 国土地理院客員研究員,
(財)日本地図センター
2 雲南省徳宏タイ族の宗教
―シャマニズムにおける 声の文化-
伊藤 悟 総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程, アジア民族楽器演奏家
3 魚附林の地球環境学
-親潮・オホーツク海を育むアムール河-
白岩 孝行 北海道大学低温科学研究所,
総合地球環境学研究所
4 雲南の栽培植物-麦・瓜・里芋など 吉野 煕道 (元)岡山大学農学部,
(前)中国科学院昆明植物研究所,
(財)進化生物学研究所,
AACK
5 民族楽器演奏とスライドショウ    
  ア.「ひょうたん笛」の演奏 伊藤 悟  
  イ.「高所を掘る!」
アラスカ・パタゴニア・カムチャッカ・極地などでの研究活動の足跡
白岩 孝行  
  ウ.「青春の軌跡-スケッチを交えて」
黒部最後の秘宝・剱沢大滝
1969年、鎖国下のブータン王国へ
ヤルン・カン8,505m初登頂
吉野 煕道  

20110709_19_01_nagaoka20110709_01_nagaoka_projector_page_01まず、『カラコルムの地図作成小史と、今西さんのカラコラム探険の頃-国土地理院「今西錦司企画展講演資料より-』 と題して、長岡 正利(国土地理院客員研究員,(財)日本地図センター)のご発表をいただきました。

≪以下、講演要旨よ り≫

先の国土地理院企画展での講演資料に基づくもので、当時の地図・史料と現地写真により、次についてご説明。

  1. 大英帝国(インド)と、南下政策をとる帝政ロシアとの角逐の場であったカラコルムでの地図作成史(ごく概説)。
  2. 今西錦司さんが関わった海外調査と探険・登山活動(戦前と戦後復興期)。
  3. 昭和30年 「京大学術探検隊」(そのうちの、カラコルム・ヒンズークシュ探検)の事績紹介。
  4. カラコルムの探険・地図作成史を彩った人々(写真紹介)。

20110709_19_02_ito20110709_19_02_ito_hyoutanbue次に、『雲南省徳宏タイ族の宗教―シャマニズムにおける 声の文化-』と題して、伊藤 悟氏(総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程、アジア民族楽器演奏家)のご発表をいただきました。

≪以下、講演要旨等 よ り≫

 タイ族といえば上座仏教というイメージがあるが、国家も公認する「宗教」以外にも、徳宏タイ族の地域社会では「原始宗教」や「迷信」とされる精霊信仰や シャマニズムが仏教実践と絡み合いながら人々の日常生活を形作っている。今回はタイ族の世界観を織り成す「声」(うた)のあり方に注目しながら徳宏タイ族 のシャマニズムを紹介する。

20110709_19_03_shiraiwa20110709_19_03_shiraiwa_projector3番目には、白岩 孝行氏(北海道大学低温科学研究所准教授/総合地球環境学研究所准教授)にご発表いただきました。演題は『魚附林の地球環境学-親潮・オホーツク海を育むアムール河-』でした。

≪以下、講演要旨よ り≫

魚附林。岸辺の森から流れ出す栄養分が沿岸に藻場を作り魚を育むことを指す言葉です。我々の研究により、アムール河流域が、オホーツク海や北部北太平洋親潮域の巨大な魚附林になっている可能性が浮かび上がってきました。アムール河からもたらされる溶存鉄が基礎になって、世界に冠たるオホーツク海や親潮の豊かさが維持されているのです。しかし、このシステムにも温暖化や人為的な擾乱による影響が現れ始めています。漁師が山に植林したように、最下流に位置する日本が上流の国々に呼びかける活動が始まりました。

20110709_19_04_yoshino20110709_19_04_yoshino_projector4番目には、吉野 熙道 氏((前)中国科学院昆明植物研究所客員教授、(前)岡山大学農学部特別教育研究員、(財)進化生物学研究所客員研究員、AACK)から『雲南の栽培植物 - 麦・瓜・里芋など -』と題した発表をいただきました。

≪以下、講演要旨よ り≫

原人とヒトは出アフリカ以後、暖かく食料を獲得しやすい地帯を通って世界に拡散していった時に、南西中国つまり雲南の地を通過したにちがいない。そのかなり早い時期から、アフリカや中近東、インドなどで得られた植物を持ち運んだのも当然と思われる。

ここでは中国科学院昆明植物研究所と岡山大学を中心とする日本の諸大学・研究機関との共同研究に基づいて行った、麦・瓜・里芋などの栽培植物と近縁野生種に関するフィールドワークの成果のごく一部を紹介する。

20110709_19_03_shiraiwa20110709_19_05_shiraiwa_projector民族楽器演奏とスライドショウの2番目のプログラムとして、白岩 孝行氏(北海道大学低温科学研究所准教授/総合地球環境学研究所准教授)から、『高所を掘る!ーアラスカ・パタゴニア・カムチャッカ・極地などでの研究活動の足跡ー』とスライドショウをいただきました。

20110709_19_04_yoshino民族楽器演奏とスライドショウの3番目のプログラムとして、吉野 熙道 氏((前)中国科学院昆明植物研究所客員教授、(前)岡山大学農学部特別教育研究員、(財)進化生物学研究所客員研究員、AACK)から『1969年、鎖国下のブータン王国へ』『ヤルン・カン8,505m初登頂』と題したスライドショウをいただきました。

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