2012年7月14日に開催しました第22回雲南懇話会は、新しい会場、然も3連休の初日に拘わらず、84名の参加を得て和やかな裡に終了致しました。ご参加いただいた皆様のご支援ご協力に感謝します。ご講演いただいた講師の皆様、誠にありがとうございました。

  1. 前田栄三さんは、「齢を重ねると故郷を訪ねたくなるもの」として、西安城/ 西の大門(安定門)を出発点とした西域への旅路、三高寮歌に詠われた崑崙山の登山(初登頂)の様子を紹介。ラサから三江併流地域を通り、雲南省を縦断して西双版納に至る茶馬古道を地図上で示し、今秋の雲南Field Work の予定も紹介しました。雲南大学尹紹亭教授の主導する民族文化生態村プロジェクト、雲南のタイ族とタイ文化圏(国境なき山地民)、今次大戦の「雲南の戦い」等について、寸描しました。
  2. 国際協力機構農村開発部の鈴木文彦さんは、まずは中国雲南省に接するミャンマー・シャン州北部地域の実情、その地域で長年栽培されてきたケシのことを概説されました。その上で、日本が1997年から信州大学氏原教授(現名誉教授)を中心に推進してきたケシの代替作物(蕎麦)の導入の様子、2013年からの旧ケシ栽培地域での食糧生産の向上と生計向上の為の新プロジェクトが紹介されました。現地経験豊富な(元)コーカン特別区麻薬対策・貧困削減プロジェクト専門家 吉田直子氏により現地の様子が描写されました。
  3. Tea Literacy 上原美奈子さん(裏千家助教授 上原宗奈さん)は、茶文化という概念について、概説されました。1例として、1978年~79年に国立民族学博物館を中心に行われた共同研究により、「茶といえば茶の湯のことだとする通念もしくは偏見」が正され、茶文化の定義を考え直す良い切欠となった…と引用して紹介されました。2011年秋の雲南Field Work において見聞した事柄について、お茶の視点から報告された。大学での交流、夜の妖艶な「茶室」訪問記録、樹齢千年という茶樹からの茶葉採取の様子など、です。更に、雲南と日本の茶文化を結ぶものとして、「茶を祖先とする雲南の少数民族トーアン族の詩にみる茶道のモデル」、「冠婚葬祭のお茶」、 「発酵からみる雲南と四国」等について語られました。
  4. サンナビキ同人/ 大阪市立大学山岳会(OCUAC)の和田城志さんは、冬の剱岳、黒部の雪景色を十二分に堪能させてくれました。いつ拝見しても、凍傷覚悟と伺っていても、厳冬期の黒部川の渡渉の光景には、その発想と実行力を含め、眼を見張るばかりで声になりません。和田さんが怪人に過ぎるのか!  「雪黒部とナンガ・パルバットはかけがえの無い私の宝」という和田さんは今、月のほぼ半分の時間を「旅」に費やしているという。2010年1月から2012年5月まで、ネパールと日本での主要な「歩き旅」の累計日数は、198日に及ぶといいます。
  5. 国立極地研究所 北極観測センター教授の榎本浩之さんは、北極圏の温暖化について、北極圏の自然・フィールドワークそしてそこに住む/ そこで出会った人達の話を交えて紹介された。北極圏は今、海氷の減少、氷河の融解等が顕著に起り、温暖化の早い進行が判って来ている。海氷の減った北極海では、航路の開通が期待されてもいる。急変する北極環境で、いろいろな懸念と期待が生じている。今、日本の北極研究者約300人が参加して、環北極という包括的・総合的な連携で観測を行い解明を目指す「GRENE北極気候変動研究事業」が、2011年に始まった。陸域・雪氷・大気・海洋・海氷・気象といった個々の観測から、船舶工学、航行支援システム構築、日本への影響など社会的な範囲まで有機的なつながりで研究が行われるといいます。

(撮影:長岡正利)

第22回 (2012年7月14日(土)、国立大学法人一橋大学・一橋講堂)
  演題
発表者
所属
1 「雲南寸描」 -2008年~2011年Field Work から、民族文化生態村・雲南のタイ族・雲南の戦いなど- 前田 栄三 雲南懇話会、AACK
2 「ミャンマー・シャン州北部地域での麻薬撲滅支援」 -蕎麦博士・氏原暉男さんの足跡- 鈴木 文彦 国際協力機構農村開発部
吉田直子 元)コーカン特別区麻薬対策・貧困削減プロジェクト 専門家
3 「雲南Field Work 2011の報告: Chapter. Tea」 - 茶文化交流の向こうにあるもの - 上原美奈子(上原 宗奈) Tea Literacy, 煎茶道清泉幽茗流講師, (裏千家助教授)
4 「剱沢幻視考、PartⅡ」 - 冬剱・雪黒部、そして今 - 和田 城志(せいし) サンナビキ同人、OCUAC
5 「北極圏の温暖化」 -自然・フィールドワーク・人- 榎本 浩之 国立極地研究所 北極観測センター教授

5月中旬の時点で「会場」の変更を余儀なくされ、新しい会場(学術総合センター)の使用許可条件から、楽器演奏を行う演題1件の変更を、せざるを得ない状況となりました。

次回は、12月15日(土)、JICA研究所国際会議場を予定しております。内容が固まり次第、MLにてご案内いたします。

まず、『雲南寸描 -2008年~2011年Field Work から-』 と題して、前田 栄三(雲南懇話会、AACK)のご発表をいただきました。

席上配布資料として、第9回フィールドワークのご報告 2011/11 雲南省西南地域の報告を配布いたしました。

「齢を重ねると故郷を訪ねたくなるもの」として、西安城/ 西の大門(安定門)を出発点とした西域への旅路、三高寮歌に詠われた崑崙山の登山(初登頂)の様子を紹介。

ラサから三江併流地域を通り、雲南省を縦断して西双版納に至る茶馬古道を地図上で示し、今秋の雲南Field Work の予定も紹介しました。雲南大学尹紹亭教授の主導する民族文化生態村プロジェクト、雲南のタイ族とタイ文化圏(国境なき山地民)、今次大戦の「雲南の戦い」等について、寸描しました。

次に、『ミャンマー・シャン州北部地域での麻薬撲滅支援 -蕎麦博士・氏原暉男さんの足跡-』と題して、鈴木 文彦氏(国際協力機構農村開発部)および吉田 直子氏(元)コーカン特別区麻薬対策・貧困削減プロジェクト専門家)のご発表をいただきました。

まずは中国雲南省に接するミャンマー・シャン州北部地域の実情、その地域で長年栽培されてきたケシのことを概説されました。

その上で、日本が1997年から信州大学氏原教授(現名誉教授)を中心に推進してきたケシの代替作物(蕎麦)の導入の様子、2013年からの旧ケシ栽培地域での食糧生産の向上と生計向上の為の新プロジェクトが紹介されました。

現地経験豊富な(元)コーカン特別区麻薬対策・貧困削減プロジェクト専門家 吉田直子氏により現地の様子が描写されました。

~~~~2012/8/26補足ここから~~~~

信州大名誉教授の「そば博士」氏原暉男(あきお)さん(75)(長野県南箕輪村)については、http://www.myanma.jp/modules/news/article.php?storyid=459をご覧ください。そして、以下のURLもご覧いただければと思います。
http://inamai.com/studio/studio/studio20060311.html

また、懇話会でいただいた質問に対する回答が、MLの700番で回答されています。

~~~~2012/8/26補足ここまで~~~~

3番目には、上原 宗奈氏(裏千家茶道)にご発表いただきました。演題は『雲南Field Work 2011の報告: Chapter. Tea」 - 茶文化交流の向こうにあるもの -』でした。

茶文化という概念について、概説されました。1例として、1978年~79年に国立民族学博物館を中心に行われた共同研究により、「茶といえば茶の湯のことだとする通念もしくは偏見」が正され、茶文化の定義を考え直す良い切欠となった…と引用して紹介している。

2011年秋の雲南Field Work において見聞した事柄について、お茶の視点から報告された。大学での交流、夜の妖艶な「茶室」訪問記録、樹齢千年という茶樹からの茶葉採取の様子など、です。

更に、雲南と日本の茶文化を結ぶものとして、「茶を祖先とする雲南の少数民族トーアン族の詩にみる茶道のモデル」、「冠婚葬祭のお茶」、 「発酵からみる雲南と四国」等について語られました。

4番目には、和田 城志(せいし)氏(サンナビキ同人)から『剱沢幻視考、PartⅡ -冬剱・雪黒部、そして今 -』と題した発表をいただきました。

冬の剱岳、黒部の雪景色を十二分に堪能させてくれました。いつ拝見しても、凍傷覚悟と伺っていても、厳冬期の黒部川の渡渉の光景には、その発想と実行力を含め、眼を見張るばかりで声になりません。和田さんが怪人に過ぎるのか!

「雪黒部とナンガ・パルバットはかけがえの無い私の宝」という和田さんは今、月のほぼ半分の時間を「旅」に費やしているという。2010年1月から2012年5月まで、ネパールと日本での主要な「歩き旅」の累計日数は、198日に及ぶといいます。

最後に、榎本 浩之氏(国立極地研究所 北極観測センター)から、『北極圏の温暖化 -自然・フィールドワーク・人-』と題した発表をいただきました。

北極圏の温暖化について、北極圏の自然・フィールドワークそしてそこに住む / そこで出会った人達の話を交えて紹介された。

北極圏は今、海氷の減少、氷河の融解等が顕著におこり、温暖化の早い進行が判って来ている。海氷の減った北極海では、航路の開通が期待されてもいる。急変する北極環境で、いろいろな懸念と期待が生じている。

今、日本の北極研究者約300人が参加して、環北極という包括的・総合的な連携で観測を行い解明を目指す「GRENE北極気候変動研究事業」が、2011年に始まった。陸域・雪氷・大気・海洋・海氷・気象といった個々の観測から、船舶工学、航行支援システム構築、日本への影響など社会的な範囲まで有機的なつながりで研究が行われるといいます。

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