4番目には、吉水 千鶴子氏(筑波大学人文社会系教授 哲学・思想専攻)から『チベット仏教の世界 ―仏教伝来からダライ・ラマへ―』と題した発表をいただきました。

チベット民族には政治から人々の日常生活に至るまで、隅々まで仏教が浸透しています。現在でも人口の90%は仏教徒であると言われています。今回、チベットへの仏教伝来から17世紀のダライ・ラマ政権の誕生に至るまでのチベットの歴史をお話ししながら、チベット仏教の世界を紹介したいと思います。現在のチベット仏教の骨格である宗派とその教義は大よそこの時代までにでき上がりました。そして、転生活仏を民族のリーダーと考える仕組みも作られたのです。チベット仏教とは、政治体制を支える理念であり、他国との外交手段であり、人心掌握の手段であり、哲学であり、信仰の対象であり、人々の心の支えです。この豊かな世界を、端緒に遡ってお話しします。

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