次に、『慈恵医大槍ヶ岳山岳診療所の活動報告 ~山岳診療所から見える山の世界~』と題して、油井 直子氏(慈恵医大槍ヶ岳山岳診療所医師、聖マリアンナ医科大学スポーツ医学講座講師)からご発表をいただきました。

日本の山岳診療所が開設・運営されてきた歴史、槍が岳診療所の施設の紹介、ボランティアチームによる診療活動・生活の様子、症例紹介(低体温症、高山病等)、自身が経験した中で最も重い症例(槍の穂先直下のはしごから転落、頸椎損傷で手足が動かず)などが語られた。

質問が多く寄せられた。診療所と警察・自衛隊所属の医師、救助隊との関係、診療所所員の事故に対するあてがい、高山病対策・具体的処置、低体温症予防のため予め取るべき有効な方策、診療所利用者の事故原因等の傾向、ボランティアに対する支援策など等である。

穂苅家3代、初代が松本でお世話になっていた医者が慈恵医大出身という。この事が縁となって、槍の肩に診療所を開設することに繋がったといいます。

油井さんからの後日談によれば、診療所は完全なボランテイアで成り立っている。最近は人気があり過ぎて、日程変更を余儀なくされるドクターも看護師さんも大勢いるほど、本当に嬉しい状況である。これほどの人気の理由は、参加者全てが美しい槍ヶ岳に魅せられていること、また、親切な山荘従業員さんらと親密な協力体制で業務がすすめられていることなどが考えられる。とのことである。

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