2016年6月25日(土)に開催した第37回雲南懇話会には、お彼岸の最中にも拘わらず125名の参加をいただき、盛会でした。皆様のご支援ご協力に感謝します。ご講演いただいた講師の皆様、ありがとうございました。

今回も宮崎市、京都市、奈良県吉野郡、三重県名張市、岐阜県瑞穂市、静岡市、富士市、小田原市、山梨県都留市、福島市等など、遠方からのご参加をいただきました。瑞穂の日本酒、宮崎の焼酎などの差入れもありました。重ねて感謝致します。

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(撮影: 金井 義介)

第37回

日時;2016年6月25日(土)12時45分~17時30分。その後茶話会
場所;JICA研究所(旧国際協力総合研修所)国際会議場 @ 東京市ヶ谷

  演題
発表者
所属
1 中国雲南省、梅里雪山 ~人々の祈り、山麓の暮し~ 斯那扎史(スナチャシ) 昆明理工大学院生
 2 中国チベット自治区・未踏の霊山 カイラース ~四宗教の複合的聖地~ 宮本 久義 東洋大学大学院客員教授(インド哲学・ヒンドゥー教思想)
3 ネパール、聖地 カトマンドゥ ~ヒンドゥー教・仏教・民俗信仰の複合~ 石井 溥 東京外国語大学名誉教授(文化人類学)
4 インド、ブータン国境の聖地巡礼 ~アルナーチャル・プラデーシュとメラの事例から~ 脇田 道子 日本ブータン研究所 研究員、博士(社会学:慶應義塾大学)
5 南インドの山と森の信仰 ~カルナ-タカ州のブ-タの場合~ 鈴木 正崇 日本山岳修験学会会長、慶應義塾大学名誉教授

まず、『中国雲南省、梅里雪山 ~人々の祈り、山麓の暮し~』 を、斯那扎史氏(昆明理工大学院生(当時))からご発表をいただきました。

中国雲南省のカワカブ(6740m)はチベット仏教徒及びボン教徒の大聖山である。カワカブの外周を一周する外巡礼は600年以上の歴史があるとされる。カワカブの生年は未年であるとされ、 2015年は12年に一度のカワカブ大巡礼の年であった。2015年に実施した外巡礼で明らかとなった変化の凄まじい巡礼路の現状、最近のチベット人の生活や信仰の変化について、その最新の情報を報告した。

次に、『中国チベット自治区・未踏の霊山 カイラース ~四宗教の複合的聖地~』と題して、宮本 久義氏(東洋大学大学院客員教授(インド哲学・ヒンドゥー教思想))からご発表をいただきました。

中国チベット自治区西部に位置するカイラース山(海抜6656メートル。別名カンリンポチェ、マパムユムツォ)は、ヒンドゥー教、ジャイナ教、チベット仏教、ポン教の信徒たちが等しく霊山と崇める聖域である。1992年に歴史学者の色川大吉氏を隊長とする日本西蔵聖山踏査隊に参加し、収集した巡礼者への聞き取り調査やその後の研究を基に、チベット人、インド人の精神世界の相違をお話しされた。

 

次に、『ネパール、聖地 カトマンドゥ ~ヒンドゥー教・仏教・民俗信仰の複合~』と題して、石井 溥氏(東京外国語大学名誉教授(文化人類学))のご発表をいただきました。

ネパールのカトマンドゥ盆地は、インド直伝の仏教、ヒンドゥー教と民俗信仰が複合し、人の数よりも神仏の数の方が多いとも言われ、寺院・聖所や祭礼は大変に多く、盆地や集落などを聖なる空間とする観念も様々に発達してきた。カトマンドゥ盆地の文化・宗教を歴史的観点を交えて概観し、この盆地がどのような形で「聖地」であるのか「聖地」とされてきたのかを検討し、併せて近現代の宗教状況の変化に
ついても考えるとして、歴史的変化を概観された。

講演で使用された写真は、写真家 大村次郷氏の作品という。

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