2016年9月4日(日)に開催した第38回雲南懇話会には、日曜日の開催となったにも拘らず121名の参加をいただき、盛会でした。皆様のご支援ご協力に感謝します。ご講演いただいた講師の皆様、ありがとうございました。

今回も九州・宮崎市、北海道・芦別市を始め、富山県立山町、東大阪市、京都市、滋賀県大津市、奈良県吉野郡、三重県名張市、静岡市、山梨県都留市・北杜市等など、遠方からのご参加をいただきました。重ねて感謝致します。

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(撮影: 金井 義介)

第38回

日時;2016年9月4日(日)12時45分~17時30分。その後茶話会
場所;JICA市ヶ谷ビル(旧国際協力総合研修所)国際会議場 @ 東京市ヶ谷

  演題
発表者
所属
1 ネパール、ムスタンの旅 ~雲南懇話会第11回フィールドワークの記録、2016年4月~ 遠藤 州 桐蔭会山岳部OB会、京都大学学士山岳会(AACK)
 2 インド・シッキム州、カンチェンジュンガ東面の山旅、2016年4月 ~困難な入域、ゼム氷河、シニオルチューの麗姿のことなど~ 頭師 正子 雲南懇話会幹事、薔薇愛好家
3 トピック「転換期にあるミャンマーの今、その素顔」 ~アウンサンスーチー女史への期待~ 大津 定美 NPO法人“小水力発電をミャンマーの農村へ”理事、神戸大学名誉教授
4 ヒマラヤ地震博物館 ~ネパール・ヒマラヤの環境変動研究から考える~ 伏見 碩二 カトマンドウ大学客員教授、滋賀県立大学名誉教授、北海道大学山の会(AACH)
5 中国の水資源・水環境をめぐって ~沿岸部と内陸部の対比から~ 窪田 順平 総合地球環境学研究所教授、AACK

まず、『ネパール、ムスタンの旅 ~雲南懇話会第11回フィールドワークの記録、 2016年4月~』と題して、遠 藤 州氏(桐陰会山岳部OB会、AACK)からご発表をいただきました。

ネパール中部、チベットとの国境に位置するムスタンは、1991年まで外国人の入域が禁止されていた。近年、入域者数は増加しているものの、日本人に限れば年間入域者数は最近でも100人に満たず、あまり知られていない地域である。

演者らは本年4月にムスタンを訪問した。ポカラ(ジョムソン)発着で15日間の旅である。その旅の概要と共に、特に(アッパ−)ムスタンの地形、地質、気象、植生、及びカリガンダギ川両岸の景観(段丘崖、侵食崖、川床)、ジョムソンからローマンタンに至る道路事情など、ムスタンの今を紹介された。雲南懇話会で南井英弘さんから紹介された河口慧海記念館は、ジョムソンの南5kmほどのマルファ村にあります。ローマンタンの北西に位置するマンセイル峰(6235m)は、2014年にJAC女子隊が初登頂しました。アッパー・ムスタンは、この折アドバイザーとして参加した谷口けいさんも歩いた地域ですね。

次に、『インド・シッキム州、カンチェンジュンガ東面の山旅、2016年4月 ~困難な入域、ゼム氷河、シニオルチューの麗姿のことなど~』と題して、頭師 正子氏(雲南懇話会幹事、薔薇愛好家)のご発表をいただきました。

ネパールとインド・シッキム州との国境にある世界第3位の高峰カンチェンジュンガ(標高8586m)東面、ゼム氷河のレストキャンプ(4500m)に滞在した。ここは世界最美の山と言われたシニオルチューのベースキャンプ地で1970年代までは容易に入山出来たが、最近は環境保護と聖山という理由で入山が困難になった地域である。

演者たちは今年最初の入山者だそうで、リーダー以下高齢者11人の山旅の様子を紹介した。朝日に輝くカンチェンジュンガ、そしてヤルンカン!何度も拝見することができた。シニオルチューの麗姿も見事だった。シニオルチュ一語で検索してみてください。北大山の会の該当するページに直行します。パウル・バウアーの著書が簡潔に紹介され、1936年にシニオルチューを初登頂したことを含め、翌年のナンガ・パルバット遠征に照準を当てたドイツ隊の様子が要約されています。

次に、『トピック「転換期にあるミャンマーの今、その素顔」 ~アウンサンスーチー女史への期待~』と題して、大津 定美氏(NPO法人“小水力発電をミャンマーの農村へ”代表理事、神戸大学名誉教授)のご発表をいただきました。

「NLD圧勝」、選挙結果の受け止め、「あまりにもスムース?」、その後の政権移行のプロセスも極めて民主主義的に、それが可能となった背後に何があったのか?
・新政権の経済政策は? 経済開放と産業開発、豊富な資源と低開発、旧政権関係者の経済実態支配、外資の進出とそのコントロール、日本の役割は?
・「国家顧問」たるスーチー女史への過大な期待? 短期の経済改善困難と国民大衆の「裏切られ感」の危険性、さらに「少数民族との和平(第2パンロン会議)」という「世紀の課題」は?

以上のような視点、論点で、「ミャンマーの今」を概観された。

大津先生ご夫妻は、アウンサン・スーチーさんとは40年来の友人といい、若い頃の写真の数々を披露された。ミャンマーの主産業は農業で、国民の60%以上が農民という。その農村の80%以上の世帯が、夜の明かりがローソクだそうだ。スーチ−女史は小水力発電にとても興味関心を示していて、京都嵐山の発電施設を視察された(2013年4月)という。その一方、2015年6月、ミャンマー政府とロシア国営企業は、「核エネルギーの平和利用協力」について、覚書にサインしたという。 ただただ政治の安定を、まずは望みたい。

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