次に、『内モンゴル大草原の自然と伝統文化 -生態移民の事例研究-』と題して、ナムラ(那木拉)氏(千葉大学文学部外国人研究者、同大大学院博士課程修了)のご発表をいただきました。

内モンゴル大草原は遊牧地域である。遊牧民たちは遊牧文化を作り、草原で生活してきた。しかし、2000年頃に北京で砂嵐の被害が起きてから、放牧が砂嵐の原因と中国政府に指摘され、牧畜を草原から排除する「生態移民」政策が実施された。牧畜民たちは草原と伝統的家畜から離され、生態移民となって移住させられた。結果、「生態移民」政策は生態環境を回復できなかったし、逆に移住した牧畜民たちを経済的困窮に落とし、伝統的文化を喪失しつつある。その間の内モンゴルの様子を事例に基づき紹介された。

乳牛を生業として飼育する牧畜民、彼らの街に隣接して立地する石炭火力発電所の景観は、余りに痛々しい。

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